通信販売なんて言葉は殆ど聴かなくなりましたが
その昔、私が子供だった頃に女性向けの週刊誌なんかだと、ほとんど白黒ページの雑誌なのにジュエリーの通信販売のカラー写真ページがたくさんありました。そして
そんなに安くもなかったと思うのですが、「通信販売で指輪買ったけど、手元に届いた現物は写真のイメージと全然違った」みたいな話が常識としてありました。
なんでそんな事になるのか
写真の撮り方だけじゃないんですよね。
例えば、指輪の場合
号数が極端に小さいもので撮るんです。
リングの直径が小さければ、幅や厚みが小さくてもそれなりのモノに見えますし、石も大きく見えます。
ネックレスなら、全てが華奢なんです。
鎖が極端に細くて短いものであればペンダントトップなんて、凄く大きな印象に写ります。
元々、現物を直に見て手にとって試着してご納得頂くという昔ながらの宝飾品の販売方法を見て育った私としては、掲載した写真と記載したスペックで品物をご購入頂くという、いわゆる通信販売に少し抵抗がありました。
現物を直接見て頂くのが一番良いと思っていたからです。
ところが、現物ではなく写真で判断していただくという事については売り手によって考え方に違いがあります。
写真でごまかすっていう考え方と写真で詳細まで見てもらうっていう考え方の違いです。
前述の例は、写真でごまかすっていう考え方ですね。
それとは真逆の写真で詳細まで見てもらうっていう考え方もあります。
写真って現物を手にとって見ても気付かないような詳細まで写し出すんです。
自分で写真撮りしてみてびっくりしました。
具体的には、
僅かな磨き傷みたいなものだったりメレの石留めの具合だったりがライティングと寄り具合で現物を目で見るよりはっきり出るんです。
写真をちゃんと撮れば現物を直接見てもらうより詳細までちゃんと確認していただけるという事を実感して私の考え方も変わり、インターネット経由での販売に踏み切りました。
でも、やっぱり写真は信用できないって方もいらっしゃるんですよね。当然です。
メルカリでのジュエリー販売を始めた当初、売買の履歴が無いと信用も無いだろうなと思いメーカーさんでも出せないような地金価格に近い捨て値でデザインリングを出品してたりしたのですが、そこにいただいたご質問で「なるほどね」ってのがありました。
指輪です。同じデザインでうちにあるのはその一点だけです。
リングの号数は当然記載してます。前述の極端に小さなものではありません。
そこに頂いたコメントが、
「写真で大きく見せているみたいですが、実際はどれくらいなものなのか100円玉と並べた写真を見せて下さい」
というものでした。
すぐに写真撮ってアップしたのですが、他の方があっさり購入してしまいました。
こちらとしては、指輪の1本くらいどなたでも持ってらっしゃるだろうし号数を記載していればおおよそのイメージはできるはず。掲載する写真は細かい部分を確認して頂く為のものがいいだろうという考えなんですが。もちろん全体像も掲載してます。
昔ながらの「写真でモノを大きく豪華に見せる」ようなやり方で、がっかりさせられた経験のある方にしてみれば、「どアップの写真」なんてサイズ感を誤魔化す為のものにしか見えないんでしょうね。
結果として、ご購入いただいた方から「写真で見るより、届いた現物の方が良かった」という感じのありがたいお言葉を頂いておりますが。
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